坂東三十三札所

三番札所 安養院田代寺

三番札所は安養院田代寺(あんよういんたしろじ) 浄土宗

御本尊様は千手観世音菩薩(田代観音)開基は田代信綱(頼朝家臣)
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安養院の開基は政子、田代寺の開基は田代信綱という2系統の寺院がまとまったというやや複雑な経緯を持つお寺です。ご本尊は田代信綱由来の観音さまですが、本堂の背後には鎌倉最古の宝篋印塔があり政子の墓と伝えられています。

二番札所岩殿寺から街道を西へしばらく行くと『坂東三番札所田代観音』と標された大きな石柱が眼に留まります。間近の山門に立ってすぐのところに本堂らしき小さなお堂が見えます。綺麗に掃き清められた境内の気配が政子の寺を思わせて嬉しい。境内の植栽もきれいになされた良いお寺ですが、三代将軍実朝によって三番札所と命名され、政子の墓を祀るお寺という由緒からすれば随分小振りなお寺です。鎌倉将軍がいかに質素であったか思われます。いやこれは鎌倉幕府灰塵の歴史を物語るものかもしれない・・。建長寺や円覚寺など鎌倉五山の今に豪壮な伽藍と比べその主人を祀る寺のなんと謙虚な事よ・・。本堂正面に立ちローソクに点灯して息子と二人で延命十句観音経を三遍、唱えました。
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それにしてもここでも参拝者とほとんど逢わない。一番札所杉本寺の賑わいは何だったのだろう?坂東巡拝者ではなく杉本寺さまにお参りに来る信者の賑わいだったのだろう。本堂内陣に上げて頂き、本尊様の間近で読経できる有難さを改めて知りました。これから先の坂東三十三所巡拝はどのような姿を拝領することになるのやら・・知らず。この静けさがいいのかも・・。坂東三十三所観音霊場の巡拝は鎌倉から始まりますが早くも頼朝、実朝、政子という主人公たちの影姿と出会ったようです・・。

 

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